チャレンジ解決型アクティブラーニングでの「宿題」の概念は、従来の講義のものとは全く異なります。宿題の代わりに、学生は各チャレンジの解決までの全ステップをまとめたチャレンジ・ログというノートを作成していきます。

アセスメント(学生の学習成果の評価)

従来の教え方と同じように、チャレンジ解決型アクティブラーニングを導入した科目のアセスメントは試験に基づいています。その他に、一般的には生徒は期末試験を受ける際に、チャレンジ・ログを提出することになっています。

試験はチャレンジ内容と密接に関連しているため、チャレンジを解決できていない学生は不利になります。結果的に、チャレンジを解決させることの重要さを強調するために、教員は申し分ない状態のチャレンジ・ログに点数を少し振り分けてもいいでしょう。

「申し分ない状態」の定義はあくまでも教員によりますが、判断基準として下記を挙げることができます。

  • 学生はチャレンジをあまり放置せずに、全チャレンジのほとんどを達成すべく努力したか。
  • 学生はチャレンジのある程度の数を解決できているか。
  • 学生は各チャレンジを解決させた思考プロセスを表しているか。(特に何かを計算する必要があった場合)

したがって、それぞれのチャレンジと回答だけが並んだチャレンジ・ログは申し分ない状態とはいえないでしょうが、思考プロセスを詳しく書き込まれたものなら申し分ない状態にあるといえるでしょう。しかしながら、チャレンジ・ログは正式なレポートではないため、学生が意識して綺麗にはしなくてもいいでしょう。課題の記録にすぎません。教員は学生全員のチャレンジ・ログを詳しく確認する時間がないことが多いですが、軽く目を通すだけで状態が判ることがほとんどです。

確認後、すべてのチャレンジ・ログが学生に返されます。しばらく学生の手元にないことになりますので、学生がチャレンジ・ログを他の科目のメモと一緒にしないことは大切です。他の試験に必要なメモもあるかもしれませんので、学期の始まりにチャレンジ・ログを他の科目のメモと別にするように学生に指導するのもいいでしょう。

利点

アセスメントとモチベーションの他にも、期末にチャレンジ・ログを確認することは学生がどのようにチャレンジに取り組んでいるか理解することにつながります。翌年度のためにチャレンジもしくは科目全体の改善につながる情報を得られるかもしれません。よくできたチャレンジ・ログのコピーを参照のために保管することも有益でしょう。

最後になりますが、チャレンジ・ログを学生に書かせる工程が大切であり、正解を提出することだけではチャレンジを「達成」したことになりません。各チャレンジを解決させることに点数が振り分けられていないことに加えて、この方法は目的が習得することであり、チェックボックスにチェックを入れていくことではありません。学生自らのモチベーションを引き出すことにつながると考えられます。

カノン・ジェームズ

カノン・ジェームズ博士は九州大学の准教授です。
チャレンジ解決型アクティブラーニングの生みの親でもあり、ChallengeHubの創設者の一人です。